公益社団法人 富山県診療放射線技師会

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活動報告

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令和5年度 ビギナーズセミナー

2024.05.01
令和5年9月26日に開催したビギナーズセミナーは「管電圧」をテーマと、管電圧の変化がもたらす患者被ばくへの影響や臨床応用について企画しました。講師の高岡市民病院の上野先生と富山大学附属病院の寺林先生の魅了あるタイトルやプログラム内容がビギナーの方々に届き、参加登録者数は280名を超え、当日参加者数も200名と多くの方にご参加いただきました。
また映像情報Medicalのご協力もあり、演者へのスポットの切り替えなどスムーズに行われ、大きなトラブルもなく配信できたのではないでしょうか。
「管電圧」をテーマとしたか。従来までCT検査では管電圧120 kVの使用が一般的でした。他にも使用する管電圧の選択肢はあったものの、当時の管球容量や画像ノイズに対する画像処理技術の問題などもあり、120 kVが臨床において最も使い勝手がよかったからです。
現在では、画像ノイズに対しては逐次近似応用再構成法が主流となり、管球容量不足による問題も改善されつつあります。その結果、管電圧を腎機能低下の患者への造影剤量の低減や小児CT検査に対して被ばくの適正化などへの臨床応用に幅が広がり、低管電圧(100 kV以下)使用の選択肢が増えました。また屈筋腱などの描出には高電圧撮影が有効であることも知っていただけなのではないでしょうか。
使用するCT装置に依存する点はありますが、検査目的や患者状態に合わせ、被ばくとのバランスを考え、撮影条件の工夫に取り組めるきっかけになればと思います。